皆さん、あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い致します。 今年のスタートは痛ましい出来事が多く、その影響で多く
の方が心に傷を負っておられるかもしれません。 元旦の能登半島地震や 2 日の羽田空港の悲
劇など、年始早々には本当に辛い出来事が相次ぎました。予測できない災害や事故が私たちの
前に立ちはだかり、私も大変辛い気持ちになりました。

それにしても羽田の事故はなんとも言いようがありません。 能登半島地震の被災地に物資を運
ぶための輸送機に乗っていた海上保安官が亡くなられたことは大変残念なことですが、その一方
で日航機の乗客が全員無事であったことがせめてもの救いでした。

長崎大学には東日本大震災後に国によって設置された原子力災害対策戦略本部があり、常に有
事に備えています。能登半島地震の際には、原子力規制庁からの要請を受け地震被災地域にあ
る原発事故を想定した患者の受け入れ体制を急遽とりました。また病院の DMAT もスタンバイし
ていました。その後、大津波警報が津波警報になったのを受け、一時待機解除になりました。元
日から待機していた職員の方々、大変ご苦労様でした。

まだまだ予断を許さない状況が続いていますが、今回の様々な報道から、あらためて当たり前の
ことながら、最悪の中でも最善を尽くすためには、日ごろからのリスクマネジメントとコミュニケーシ
ョンが重要であることを強く感じています。

リスクマネジメントとコミュニケーションという点では、 まずは来週から始まる大学入学共通テスト
でまさに重要になってくると思います。様々かつ臨機応変な対応が必要になるイベントですので、
関係職員、教員への指導をよろしくお願い致します。

春からは総合生産科学研究科が始まり、秋にはスタジアムシティ開業とともに情報データ科学分
野の大学院がそこに開設される予定です。また「ながさき BLUE エコノミー」高島水産研究所も
近々開設予定です。グローバルリスクを掲げた研究組織改革についても進めていかねばなりませ
ん。 一方、大学病院においては医師の働き方改革がいよいよスタートしますので、できるだけ混
乱のないことを願っていますが、患者中心である医療の本質を見失わないようにお願いします。
昨年の就任時に掲げましたテーマである未来を切り拓く学びと研究の融合をグローバルヘルス、
リスク、エコロジーの 3 つの分野において推進していくために個々の教員、職員の協力をお願いし
ます。

皆さんの努力と協力があれば、どんな困難も乗り越えることができると信じています。 新米学長
ですが、どうぞ、お互いに助け合い、支え合いながら、素晴らしい 1 年を築いていきましょう。