大学案内Guidance
2009年11月09日
今年も祭りの季節がやってきた。"長崎くんち"も素晴しいが,長大祭もどうして,捨てたものではない。先方が長い歴史と伝統に培われた"蛇踊り"や"川 船"などの出し物でくるのであれば,当方は手作りの旬の味付けで勝負である。手作りであるからこそ,祭りの様相は時代とともに変わる。そして,盛り上がり の程度もその年々の学生君たちの頭の絞り方と気合の入り方次第である。これもまた,毎年の長大祭の見どころの一つである。今年は,気合十分とみた。きっと 盛り上がることであろう。
今年のテーマは"奏",なかなかよく頭を絞ったものだと思う。ハーモニーを奏でる。個々は,専門も,将来の夢も,個性や好みも異なる長大生が,ハーモナイズして祭りを盛り上げようとの意であると,勝手に解釈した。
大学は,多様な個性で構成される"知の共同体"である。異なる個性が触れあい,触発しあい,切磋琢磨することのできる空間,そしてそれぞれが個性を磨き, 夢を育み,志を立て,自立した人間力を獲得することのできる場,そんなキャンパスでありたいものだ。眼を社会に転じると,日本にも世界にも,大きな変革の うねりの兆しが見える。きみたち若者の出番はもうすぐそこまで来ている。睥睨(へいげい)し,想像し,胸を膨らませ,そして,それぞれのやり方で脱皮し, 蓄積し,準備するのだ。
共同体を皮膚感覚で意識し,感じ,体験することのできる機会,それが祭りだ。思う存分,自己表現し,触れ合い,そして昂揚しよう。個性のカオスが奏でる破天荒なハーモニーで,時代を突き抜けるのだ。
長崎大学長
片 峰 茂
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