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ナガサキアメンボは“流され”アメンボ?  新種として発表されたナガサキアメンボはナミアメンボであることが 形態?DNAデータから判明

 国立大学法人長崎大学教育学部の大庭伸也准教授と同大学院院生の平石直樹と学外の共同研究者?鈴木智也氏(京都大特定研究員)、松島良介氏(在野の研究者)の研究グループは、国内に広く分布するナミアメンボAquarius paludum paludumと、2018年に新種記載され、長崎県大村湾の汽水域※に棲むとされるナガサキアメンボAquarius haliplousが分子系統解析や形態比較では明確に区別できないことから、両種は同一種のナミアメンボであると結論付けました(図1、図2)。


図1.ミトコンドリアDNA COI領域に基づく系統解析の結果


図2.分類形質の比較

 ナミアメンボは国内各地域で河川や汽水域でも確認されており、汽水で見つかることは珍しくありません。本来の生息地である河川から、大雨などの増水で河口まで流され、汽水域で生活するアメンボがナガサキアメンボとされていたと推測されます。特に大村湾は塩分濃度が低い海域であるため、ナミアメンボの姿が良く観察されていましたが、今回の分析結果はナガサキアメンボという独立種の存在を示す結果は得られませんでした。
 一方、ナミアメンボの亜種で南西諸島に分布するアマミアメンボAquarius paludum amamiensisはナミアメンボと遺伝的には区別できないものの、形態では区別できること、オオアメンボAquarius elongatusは遺伝的にも形態的にも区別できることが示されました。そのため、国内に分布するアメンボ属のアメンボは、ナミアメンボ、ナミアメンボの亜種?アマミアメンボ、オオアメンボの2種1亜種となります。

本研究の成果は日本昆虫学会の英文誌『Entomological Science』に2023年3月3日に早期公開されました。

※汽水域…淡水と海水がまじりあっている状態を汽水といい、河口や湧き水のある海中など塩水?淡水の両方から構成されている水域を汽水域とよぶ。

【論文情報】
Hiraishi N, Suzuki T, Matsushima R, Ohba S (2023) Phylogenetic and morphological analyses of Japanese Aquarius water strider, with a new synony. Entomological Science, 26: e12544

【論文(英文)ダウンロード】
 URL: https://doi.org/10.1111/ens.12544